技術情報 - 高温固体反応

セラミックスは粉末の原料を高温で反応させて作製します。粉末粒子同士を固体のまま緻密に結合させて目的のセラミックス材料を作成します。 接触した原料粒子同士の接触部分(界面)を原子・イオンが拡散したり、粒子の表面が小さくなるように粒子同士が合体していきます。これを焼結と呼びます。

異なる材料による粉末混合物を焼結して目的材料を得る、つまり焼結時に反応を伴う場合を反応焼結と呼びます。また焼結過程で液相が生成すると、 毛細管現象によって液相が侵入することで粒子間に表面張力が働いて原子・イオンの移動が促進されたり、液相に固相が溶解・再析出するため焼結が促進されます。 この液相が寄与する焼結を液相焼結と呼びます。

それぞれの焼結機構は様々な研究者によって体系化され、焼結速度は概ね式に示すように進行します。 いずれの種類の焼結でも原料に使用する粉体の粒子径が緻密化(反応)に大きな影響を与えることが式から推定できると思います。

粘性流動焼結

(微量の粘性液体を伴う)

固相焼結

(液体は一切存在せず)

MgOとAl2O3 粒子の反応焼結の様子